電池駆動 LED照明 の検討 |
20011.03.11.の震災以降、計画停電が継続実施され 結構生活のペースが乱されることが多く、 皆さんそれぞれ対策を講じていることと思います。 とくに夜間の停電時は、 電池の入手性の悪さや照明効果・安全性(ろうそく)の事なども勘案し、 LEDライト(改造品)等を活用するのが最近のトレンドからして正しい道であると考えます。 本来なら太陽電池と充電式電池と組み合わせた非常用照明設備としてトータルで考えたいのですが、 なにせ緊急を要すので まずは、電池式のランプを改造することから始めます。 最近では、1Wクラスの高輝度白色LEDも入手性が良く、今回は OSW4XME1C1 (1W 白色 LED/100ルーメン) を使用して、手持ちの電球式ランプを改造してみました。 LEDのチップはアルミ板にマウントされており放熱も考慮されています。 今回使用した LEDの主要スペック ・ Vf 3.3V (at If=350mA) ・ Luminous 100lm (at If=350mA) ・ CCT 6500K . ・ 照射角 120度 (50% power) ・ price @300 (秋月) . Vf が 3.3V というところが味噌で 電池式ランプ(単三4本)の 電球と交換するのに とっても都合の良い電圧です。 巷ではLED電球(AC100V用)等も販売されてますが、ランプ本体が「熱くなる」等の 情報が流れており、どの程度熱くなるものなのか 予備実験が必要と思われます。 (自宅の照明は昨年 白熱電球から蛍光ランプに変えたばかりでLEDランプは使用していない) 下記のグラフが、200mAと300mAの電流を流した時の、LEDチップ裏のアルミ板温度測定値です。 300mA時で50℃以下で安定し、触れないような温度上昇(70-80℃)ではないようです。 一般的な電子機器の温度上昇の範疇にあり一安心といったところでしょうか。 パワーLEDの温度上昇 縦軸:温度 [℃] 横軸:時間 [秒] . 自作のH8マイコンによる温度測定システム使用 |
さて パワーLEDを 電池駆動するための駆動回路ですが、 パルス駆動 と 定電流駆動 の 2方式が考えられます。 (抵抗でドロッブする方法は、このさい却下・・です) 手持ちの白熱電球式ランプを改造して組み込むためには、回路規模が小さく コンパクトなものが良いので、定電流回路で組み込むことにしました。 下図が今回使用した定電流回路です。 LEDを制御する 2SD1226は、 60V3Aのトランジスタですが、Vsatの小さいものを選びます。 そのエミッタ抵抗の両端電圧が、0.6Vを超えたら ベース電流を落とし 一定の電流を流すよう フィードバックするのが、2SC1815の役割です。 エミッタ抵抗値は、2Ωですから計算上は、 0.6V / 2Ω = 0.3A となるのですが 実際に測定してみたところ、0.34A程度流れていますので LEDのスペックに 丁度良い値に落ち着きました。 参考回路図 LEDを定電流駆動する程度なら、この回路で 十分で、 抵抗による電流制限より スマートだと ・・・ 思ってます。 電源電圧 VS 負荷電流 (LED又は電球) 上記グラフをみると、特徴がよく分かります。 LED駆動用の定電流回路は、4Vを境に急激に負荷電流は減りますが 電球(4.8V0.5A)は 抵抗性 負荷特性で いつまでも電流が流れます。 従って、電球式ライトに ニッケル水素電池などを使う場合、 暗くなったら 早めに電池交換(電池充電)しないと 「過放電で電池をダメにする」 ことが 容易に想像されます。 |
完成したLED改造ランプの点灯状態です。 右はoff時です。 電球と比べて、色温度が高いためもあり かなり明るく感じます。 このランプは、2-3年ほど前に 100均(多分 セリア)で入手したもので カバーの部分を押すとランプの ON-OFFが出来る 優れものですが、 現在は、多分入手 出来ないでしょう。 LEDと制御基板の取付状態 LEDの取付:アルミパンチングメタル使用 LED単品での発熱による温度上昇は、50℃程度なので放熱器無し でも良いと思われるのですが、LEDのスペックを調べていくと、 温度によって 寿命が短くなるという データが見つかりました。 従って、今回はアルミのパンチングメタルを使って、放熱を考慮しています。 (少し雑な造りですが、実用的には問題無し・・・です) 寿命に関するデータは下記を参照して下さい。 東芝LED資料より シミュレーション例ではあるが、40℃で使った場合と 60℃で使った場合で 光度が半分になる時間は、2.5倍ほどの開きがあることが分かる。 LEDは出来るだけ、低温での使用が好ましい。 ということです。 |
光源による発光効率については 下記を参照されたい。 今回の場合、4.8V0.5A(2.4W) の電球と 1W型LEDの比較であるから 光量で約2倍、消費電力1/2ですから電池寿命としては 2倍アップが 得られそうな見込みとなります。 つまり、電球方式からLED光源に変えることにより 4倍のエネルギー効率に改善された ということになります。 パルス駆動ならもう少し電池寿命を延ばせる可能性もあるのですが 今回の例の場合、電源電圧が、Vfの+3V程度ですから、 費用対効果は それほど期待できない、と 思ってます。 【追加・参考情報】 同じ考え方で、カーポート用の常夜灯ランプの中身も LEDに変えました。 電源がAC12Vだったので ブリッジ整流した後、抵抗で少し電圧落として定電流 回路につないでいます。 電源電圧がVfの +9V位あるので パルス駆動にすれば 効率は 上がりますが、電源が ACなので 今回も定電流回路でやっています。 TRの発熱を シリーズ抵抗で 少し肩代わりさせています LEDの固定はプラスチックナットをワッシャー替わりに 使って 絶縁しています。 |
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