初歩の ATAPI コントローラ                                                                                                                             
CD-ROM/DVD-ROM ドライブについて  

ATA(IDEI) / ATAPI コントローラを開発するに当たり 少々ドライブについて調べた内容についてまとめてみる。

一口で、ATAPIコントローラといっているが、ATAPI って何だ ?? と未だに不案内なのだが。
(以下、CDドライブ またはドライブと略す)

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Jump to  ドライブの動作時 騒音                        






 【 IDE/ATAPI 】
  IDE : Integrated Drive Electronics
  ATA : AT Attachment 、  ATAPI : AT Attachment Packet Interface
        IDEコントローラにCD-ROMドライブ等、HDD以外の機器を接続するために考案されたデータ転送方式の規格がATAPI。
        EIDE仕様の一部をANSI(米国規格協会)が規格化した。ATAとATAPIは当初別の規格であったが、現在は統一されている。


 下図は CD ドライブの概念図である。



 黄色で囲った部分が外部とのI/Fであるが、 今回のコントローラでは ATAPI  I/F は制御コマンドのみのやりとりで使用し、
 音楽信号(デジタル/アナログ) の取得には使用しない。

 PC用のCDドライブの発祥は、音楽用CDドライブをPC用に流用したことに端を発する。
 現在でも、デジタル出力 [ SPDIF:SonyPhillipsDigital IF] なる規格のDigital端子と、アナログオーディオ信号 [ Lch/Rch ] がドライブの
 後部端子に出力される。 (Digital端子は、ドライブによっては省略されるケースもある) 

 当初PCでCD音楽を再生するためには、このオーディオ端子を内部接続しないと再生できないケースもあったが、現在ではATAPI I/F から
 データを直接受け取るため PC内部でこれらのオーデォオ端子が使用されるケースは殆ど無くなっている。

  Digital信号について:
 Digital信号は、先にも述べたとおり SPDIFと呼ばれる規約に準拠している。 物理的にはコアキシャル、COAX、Coaxialなどと呼ばれる
 方式でありいわゆる 「同軸ケーブルで結びましょう」 という信号である。
 SPDIFには光方式 (オプティカルとかOptical) もあるが物理的な手段が異なるだけで信号フォーマットはどちらも同じものである。
 (CDドライブに光学I/Fが付いているものは・・・無い・・・・・?)

 元々がCDドライブなので 16bit/44.1kHzのサンプリング信号が Lch/Rch の両チャンネル多重化されたデータが出力される。
 従って、外付けのDAコンバータをつなぐ場合の設定は、16bit/44.1kHz といういことである。
 ドライブのオーデォオ端子に信号が生成されるのは、CD-DA形式のDiskを再生した場合のみで、残念ながら MP3やWMA、SACD、DVD
 といった形式で記録された Diskは再生できない。

 インピーダンスは、75Ωアンバランスタイプで、たいていの場合パルストランスは入ってない。 高級なCDプレーヤのDigitalOut端子
 と同列ではないので 注意が必要である。
 (パルストランスが入っている場合、他の信号とのグランドループが発生せず、安易に使ってもトラブルが起きにくい。つまりCDドライブは
  この逆で安易に使うとトラブリやすい・・・・・?  これまでの経験では逆接続した場合、シャー・・・ノイズしか出ない 位かな )

 コアキシャルタイプの信号レベルは、0.5V(P-P)が一般的だ、ドライブによっては 出力インピーダンスが高めなのか レベルが低いのか
 75Ωで受けると レベル小でこけるものもあるようで その場合、100-150Ωで受けてやるしかない ドライブも見受けられる。
 パルストランス付きの buffを DAC(DAI)の前に入れるのが精神衛生上、よろしいようである。

  Analogue信号について:
  ドライブ内部のDACによって、基準信号(1KHz 0dB)を記録したトラックを再生した時、0.7V/47Kohm の出力が アナログ端子に得られるように
 設定されている。 ( と思われるが、スペックは公表されていないケースが多い)





IDE IFのピン配置は、左図のようになっており データ16本とリセット等含め制御用に8本の計24本を
今回は制御対象とした。 INTRQ/DMACK/IORDY/DMARQ/PDIAGは接続しない。

IDEの規格ではコネクタケーブルの最長47㎝、インピーダンス特性確保として各ラインに33Ω~82Ωの
ダンピング抵抗を入れることになっている。 今回の使い方はPIOモードで制御コマンド/パケットコマンド
のみのやりとりになるので(つまり、とろい使い方しかしない ) 抵抗無しで 45㎝程度のPC用ケーブルで
実験した結果、問題がなかったので ダンピング抵抗無しでいくこととした。

なお、ケーブルは、40芯、80芯どちらでも問題ないことは確認済みである。
本コントローラではケーブルのタイプ検出は行わない。





 CDドライブを制御するには、上記 IDE IF を介して ATAコマンドとATAPIコマンド(パケット)を使い分けながら制御することになる。
 その詳細な内容については 「ATA(IDE)/ATAPIの徹底研究」 CQ出版を参照されたい。 しかし 「ATA(IDE)/ATAPIの徹底研究」 だけ
 では周辺情報が不足するため、T13(technical Commitee T13 AT Attachment) や SFF-8020/ATA Packet Interface (ATAPI) の
 ドキュメントが ATAPIコマンドのみならず 工業英語の勉強にも役立つので ぜひ一読されたい。 




 上記の内容のどこが 初歩だ と思うのだが これがまずは入り口である。








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ドライブの後部端子について











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 少しドライブのいじり方について触れてみる。

 色々やっているうちにドライブを上分解したい時があるが、コツを知らないと分解ではなく 「破壊モード」 になり 2度と使えなくしてしまう
 恐れがある。 どこにコツがあるかというとフロントパネル(ベゼル)をどうやって外すかにかかっている。 ベゼルさえ外してしまえば後は
 シャーシのネジを取っていくだけなので ここではベゼルの外すコツを紹介する。
 

                  警 告 :本内容を参考に改造等行う場合は各自の責任と判断にて行ってください。万が一、
                    事故や不備などが生じた場合でも 当方は一切責任を負いませんので ご了承ください。 




 最初に、トレイを引き出すことから始まる。

 トレイは、引き込まれた状態ではロックされており隙間をコジッって引き出そうとしても無駄で、まずはロック解除が必要である。
 ロック解除には、ドライブに同梱された0.8φ程度の針金を フロントパネルにある「孔」に差し込み押す。 すると
 ロックが解除され、2-3mmほどトレイが出てくるので、それを引っ張り出す。 同梱された針金がない時の代用品としては
 ホームセンターで 0.8φ程度のピアノ線を買ってくる。 メータ単位で売っている(売っていた)ので 10-15㎝しか必要でないから
 思いっきり余るが やむを得ない。

  孔を探す   針金で押す

 素直にやりたい場合は、電源をつなぎ Ejectボタンを押せばよいのだが・・・・・


 トレイが引き出されたらベゼルを外す。
 このベゼルが付いたままでは残念ながらフロントパネルが抜けないのだ。

      

 ベゼルの下側(親指が写っている部分)を手前に押しながら 上に(人差し指方向)に押す => ”こじりあげる” とベゼルの片側が外れる。
 左右に引っかけがあるので もう一方も同じ事をすれば取り外し完了となる。



 フロントパネルは、ドライブシャーシの上下左右の孔に ”引っかけて” あるので ドライバー等で押し込みながらパネルを徐々に外していく。
 このとき、一カ所を外したからといって全体は外れないので、左=>上=>右=>下=> ・・・ というように順番に外していく。


     

 ちょっとした 「コツ」 なので 摑んでしまえば こっち(あなた) のものだ。






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  CDドライブの動作時 騒音について

 ドライブの騒音について質問があり、かねてから気にはなっていた事項なので実際に確認してみた。
 確認方法は、至って簡単な方法で PC駆動時とATAPIコントローラでの駆動時の騒音単純比較である。

 ■PC駆動での確認には、USB<=>ATAPI変換のアダプタ基板を使い、MediaPlayer11で音楽CDを再生しその時の動作時騒音を聞く
 ■ATAPIコントローラは、type2を使い PCでの確認に使った音楽CDを再生して 動作時騒音を聞く

 という至ってシンプルな方法である。 異論あるかたもあろうが音楽再生としての音を比較したわけではないのでご容赦願いたい。
 本来なら、手持ちのドライブの実験結果を公表すればよいだろうが、あまり意味がなさそうなので割愛する。

 その理由は、比較的単純でありご理解いただけると思う。


 結果発表

 ”PC
で使ってうるさいドライブは、ATAPIコントローラを使ってもやっぱりうるさい。”  の一言に尽きる。


 但し、Ricoh製のドライブに顕著なのだが PCではフル回転に近い回転をするものが ATAPIコントローラでは回転が落ちて
 騒音レベルが下がる場合もあるということだ。 但しその場合でも、静かなドライブには負ける。

 この理由は、PCでの使用時はデータをPCに IDE を経由して転送するが、DMA等でPCのバッファへ高速転送になるものと
 思われる(想像)ので高速回転する。一方、ATAPIコントローラの場合、CD-DAのデータはドライブ内部で音楽データストリームに
 変換されるため高速なデータ取得が不要である(高速に取り込んでも意味がない) ので、本来のCDドライブの姿(1倍速)を
 取り戻すのだ、 と考えたいがドライブによっては回転を落とせない(制御範囲が狭い)ものもあり 高速で同じところを何度も回る
 ケースが想定される。


 本来の音楽CDドライブの姿(1倍速)を取り戻したのであろう 象徴的な出来事が起こった。
 静かなドライブ No.1 は、なんと PHILIPS製だったのだ。 CDそのものが実はこのPhilips社とSony社が開発したという経緯が
 あるので その面目躍如といった感が強い。 マニア御用達の超高級CDプレーヤに使われるphilips CDM-3メカなどの血脈が
 ひょっとして受け継がれているのもしれないと思ったりするわけで。


 PHILIPS CDD4801/81  x8/x4/x32RW Sep,2000. Made in Hungary
   
      まだバラして中身は見ていない。
             


   但し、Philipsブランドでも MitsumiのOEM品(CR-480ATE)等は、残念ながそれなりにうるさいのでご注意を。



 Sonyの手持ちのドライブも静かなのだが digital端子が付いていないので残念である。
 また、パイオニアのA15Jもピアノブラックの塗装と合わせ、トレイの開閉や回転音も含め静かで品があるのだが
 これもdigital端子が付いていない。もっとも、アナログ端子は全てののドライブに付いているのでDACも作って見よう
  という場合以外は関係はない。 A15J ももちろん OKである。



 ちなみに、Mi-Takeで開発のリファレンスとして使っているドライブは TSSTのTS-H352Cである。
 DVD-ROMというシンプルな機能に徹しているためか、動作音も比較的静かで制御にも素直に従ってくれるのでお勧めである。
 なお、このモデルはXBOX用ドライブ改造用としても有名だった過去を持つ。


 お詫び
 ブログのコメントで PLEXTORの4012は静かと書きましたが 「とっても生きの良いジャジャ馬」 で、うるさかったことを
 ご報告し 訂正致します。


 追記
 PLEXTOR Premum2を確認した。 静かなドライブであるが シャーシの「びびり音」が発生する。 
 個体差があると思われるので 評価は差し控える。 回転自体はゆっくりで静かであるが、2-3秒毎に加速回転する。 
   ( 加速回転 : グッ ・・・・ グッ ・・・・・ みたいな。この時 「びびり音」 が出る)
    ( PlexTool : 付属のツールで x4 に設定できるのだが、設定しなくても ゆっくりと回っている )
   ( Digital端子 : このドライブは、Digital端子付きである)

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