Part'sTips Vol1 真空管用コンデンサのリーク電流
    Part'sTips Vol2 ロータリーエンコーダのクリック無し改造

    Part'sTips Vol1.
 真空管用コンデンサ

  LUX 38FD使用済み(使用していた)と、新品コンデンサの漏れ電流測定

  38FDのメンテが出来ていない物には、出力管が赤熱したり、出力トランスの断線やチョークコイルのピッチ漏れなど
 過電流による故障が多発傾向にある。 原因の多くは出力管のグリットカップリングコンデンサに使われているニチコンの
 オイルコンデンサの劣化によるリーク電流が原因である。

 どの程度の劣化が発生しているのか、出力管のバランスやIp調整がぎりぎりの範囲になっている338FDの個体を入手した
 ので、カップリングコンデンサを測定してみた。同時に、手持ちの NOS(New Olod Stock)のオイルコンやフィルコンも測定する。
 

 測定方法は、実際にDC電圧を掛けたときのリーク電流を 電圧依存性も含め測定する。
 結果として、電圧を高くするに従い漏れ電流は増える傾向にある。

OLD Oil 400V OLD Oil 630V New Oil 400V dead Stock Oil 400V
New Oil 630V New VitaminQ 1000V New Film 630V New Film 630V


    
             データを赤で囲んだ領域は、10MΩを切ってしまうところ、緑で囲ったところは 1000MΩ以上の値。



  上2つ(Old Oil 400Vと630V)は、38FDについていた使用済みオイルコンデンサであるが、抵抗値換算で10MΩを
  割り込んでいるものが大半である。
  30-40年も経過したことを考えるとそんなものなのかな、という気がしないでもない。 早急に交換を要する状態である。 
 
  問題となるのが未使用ではあるが 10年程度ストックしていたNOSのオイルコンデンサ(New Old Stock)である。
 全く使用してないにも関わらず 10MΩを割り込んでるものもあり、オイルコンデンサは、製造年月が古いもには
 危険なものが含まれることがわかる。 100KΩを超える 高抵抗のグリッドリーク抵抗を使う真空管の場合、
 オイルコンデンサはカップリングには不向きである。

 さすがにフィルムタイプのものは10,000MΩ以上であり、カップリングにおける信頼性は非常に高いと期待できる。
 また電圧依存性も少ないことが伺える。




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