ATAPIコントローラ 表示用LCDについて

   LCDの電源端子の極性 (±が逆の物があります )
   LCDの動作モードと接続 (4bit/8bit )
   LCDのバックライト電流 (100mA位流せます)
   LCDの表示がおかしい (表示に黒い豆腐 ■■■・・・が並ぶ)




       


はじめに

コントローラの動作状況を表示するために、16文字X2行のLCDを使用します。 本コントローラでは、SC1602BSLB を対象として設計してあります。 

 以下、LCDを使う際の 所謂 tips です。





LCDの電源端子の極性について
LCDによっては電源のコネクタ接続が異なるものがあります。 SC1602BSLB を対象として設計してありますので、他のLCDを使う場合はご注意ください。
やむを得ず、VddとGNDの逆のタイプを使う場合の参考に写真を載せておきます。 
LCDのコネクタを表挿入する場合(ATAPI type2の場合はこちらです)L型のコネクタの根本で入れ替える方法です。 こうしてLCD側で対応しておけば差し替えが簡単にできるようになります。 20文字4行タイプのSC2004はこのようにして使用しました。

          
 





LCDの動作モード(dataBus幅)について
今回使用しているLCDは、data bus幅を4bitか8bitの選択が可能です。送るデータを1回(8bit)で送るか、2回(4bitX2)で送るかの違いの他に 4bitモードには配線を4本省略できるというメリットがあります。マイコン側のポートが4ポート減らせるし、当然ケーブルも14芯使うところを 10芯で済ませられます。 ということで本コントローラは 4bitモードです。

LCDを 4ビットモードで使用する場合、DB0-DB3の処理をどうすべきかですが LCDモジュールに搭載されている ドライブICを調べると、デファクト的存在である HD44780HD のdatasheetには以下の記載がありました。

  “ DB0 to DB3 : Four low order bidirectional tristate data bus pins. 〜中略〜 These pins are not used during 4-bit operation “.

また ピン説明をみると DB0-DB7のポートは入出力用3ステート双方向でプルアップが入っています。 つまり使用しない場合オープンでかまわないようです。

      


今回のコントローラ基板の設計では、諸先輩の慣例通りDB0-DB3をGNDに接続してますが、コントローラとLCDとの接続を 単線で1本ずつ繋ぐ場合等、この4本は省略してかまいません。  実際に下の写真のように フラットケーブルの7-10を切断して動作確認しましたが 全く問題ありません。

    
 





LCDのバックライト電流について
LCDのバックライト どうも暗くて見にくい。 本当はどれくらい電流を流したらよいか。 
調べていくとこんな資料にたどり着きました。 これはスタンレーのGMD1620Bという LCDのdatasheet ですが バックライトは最大定格 300mA レーティング 50℃で 160mA !? △ ・・・

    

内部結線図で 12個のLEDがパラ接続されているのが分かる。 つまりバックライトのLED1個当たり 10mAとするなら全体としては120mA流さないといけないことになる。 VF=4.2Vであるから LCDのVdd+5Vから抵抗を入れて使う場合、120mAとするなら抵抗値は6.6Ωで使わないといけないのだ。 それをLCDにオマケで付いてくる 100Ωパラの 50Ωで使っていたのだから暗いハズである。 LED 1本当たり 1.3mAしか流れていないのだ。 とはいえ 省エネのこのご時世に、+5V Vdd から 120mAも流すのは気が引ける。多少遠慮して80mA程度にとどめると 10Ωの抵抗でOKとなり 都合が良い。 ( 但し、VF=4.2Vは 120mA流した時の値であるから 10Ωでは VFはもう少し下がって 4.1V程度になる。 つまり 10Ωの抵抗で 90mA程度流れることになる )

     バックライト電流による明るさの差はこんな感じである。    (写真の LCDは SC1602BSLBではありません)
    
       写真上:抵抗=50Ω、 写真下:抵抗=10Ω

        






  LCDの表示がおかしい

       => 黒豆腐が並ぶ ■■■・・・  場合、
  想定できる原因は とりあえず 2通り考えられます


 1. LCDのdata同期がずれている。(コントローラ側の問題)
   この場合、表示される文字が激しく変わっており、 ■■■・・  的に見える

 2. LCDが死んでいる。 (LCD側の問題)
   LCDコネクタ逆差しなどを行った場合や、LCDの基板不良等で LCD内部のLSIが制御しなくなり■■■・・  
   を表示する場合がある。


 以下もう少し、具体的な内容を下記に記載

      なお、使っているLCDは type1に使用しているLCDなので LCDコネクタの取付が type2とは異なります

1.のケース

LCDのdata同期がずれている場合、下記のような表示になることがあります。
(下の写真は強引に 同期ずれを起こしてますので通常はあり得ないのですが・・・・)
 1行目が真っ黒になってますが、文字化けで表示がおかしくなっているのです。


  

 この場合、LCDの表示コントラストVRを(下の写真 VR801)ゆっくり回してみると・・・
             

 なにやら、いろいろな文字がぐちゃぐちゃ 表示されているのが分かります。
  
(表示が薄くなり、文字がなにやら出てくるケース)
   


 もし起こった場合、電源をoff-onすれば 初期化されて下の写真のようにきちんと表示されます。

  

 電源off-onで この現象が直らないようであれば、ケーブルの不良等が考えられます。
  また、ソフト的な原因が全くないとは言い切れません。 => この場合 現物で確認するしかない。


 LCD単品は問題ないケースと思われます。


2.のケース

 LCDの内蔵LSIが機能不全を起こし表示がおかしくなるケースがあります。

 原因として考えられるのは LCDコネクタの逆差しで壊れたか、コネクタの半田付け不良等が。
 また、LCD基板単品のまま金属の上などに置いてショートした等も考えられます。
  (type2の場合、LCDはケーブルで接続するのでドライブの上などに直接起きがちで、
        その場合、基板の裏側でショート)

 このLCDの場合、こんな表示になりました。 壊れた原因は多分 コネクタ逆差しと思われますが・・・ 逆境にも比較的丈夫でまれにしか起きません。  また、コネクタの半田付け不良等で起こる場合も考えられます。

 
   

 いずれにしても このケース2. の場合は、LCDの交換で完了です。






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