LME49600 ヘッドフォンアンプ改造記

 New 半田ジャンパーで、反転型 ・ 非反転型に対応可能な新基板は こちら

ブログで紹介したのですが、反転アンプは音違う (良いかも)、との シミュレーション結果でした。
是非 真意を確かめたいとの思いから LME49600.H.P.A. を反転入力タイプに改造して
試聴してみる事に しました。

改造基板で、試聴 ・ ・ ・




その前に、まずはブログの内容も含めて おさらいしてみます。

オペアンプを使った場合の 反転・非反転アンプ の特徴点です。
非反転アンプ 反転アンプ
 ・入力インピーダンスが高い
    (前段の回路に影響されない)
 ・入力インピーダンスがRsで決まる
   (前段の回路に影響受けやすい)
 ・増幅度を 1以下にできない  ・増幅度設定の自由度が高い
 ・電圧入力型 ・電流入力型も出来る (IV変換回路等)
なぜそうなのか ・ ・ ・ ? 疑問を感じた方には 「定本:オペアンプ回路設計」 がお勧め
通常、「前段の回路に影響されない」 という特徴を有する
非反転アンプを使うのが、一般的です。




シミュレーションについて

下図は、OPA2604を使った 非反転アンプの基本回路と
その周波数特性を LTSpice で解析したものです。
4MHz近辺がわずかながら盛り上がっているようです。
3dB 落ちの周波数 Fcは、6.8MHz位です


下図は、OPA2604を使った 反転アンプの基本回路と
その周波数特性を LTSpice で解析したものです。
4MHz近辺の盛り上りは無いようで 素直に 減衰していきます。
3dB 落ちの 周波数 Fcは、4.7MHz位です。


比較すると、非反転アンプは オペアンプ内部の高域補償が しっかりと効いている様子がうかがえ
帯域も 若干広い様です。 一方の 反転アンプはそれほどの補償は無く  素直に高域が落ちてくる、 
といえそうです。 高域落ちの傾斜自体は、どちらも 12dB/oct 程度と 同じ傾斜です。



う〜む、多少期待が持てそうな気配を感じます。  匂うぞ  ・  ・ ! △ ※ε ?

基板の改造について

反転型への改造素材としては、 LME49600 type-A 基板を使用しました。


type-Aはパターンカットしなくて済みますので失敗が少ないでしょう。 


回路図に、改造ポイントをまとめてみました。
                                                  クリックで拡大
 
材料としては、10KΩの抵抗が 6本必用です。 (仕上がり gain = 6dB 0dB で 設定)
(追記:現在の基板は半田ジャンパー変更で設定可能です こちら

参考基板レイアウト
赤字の部品が、変更部分です。

・R721,722 47K をショートジャンパーに置き替え
・R701,702 1K を削除
・R703,704,709,710 1K を 10KΩに変更
・10kΩを R701とC721の孔を利用して取付 (C721裏のハンダジャンパー削除)
・10kΩを R702とC722の孔を利用して取付 (C722裏のハンダジャンパー削除)



改造基板完成例
抵抗2本 チューブ使用してつないでいます。








試 聴 ・


試聴感想 : 例えるなら EL34UL接続から 3極管接続に変えた時のような感じ でしょうか。
OPA2604の 図太い馬力感が しなやか&マイルド傾向に 振られるようです ・ ・ ・


今お使いのLME49600H.P.A.基板の音が、しなやかな傾向になったら良いな〜 
と 思っている方は、 改造お 試しあれ。   10KΩ 6本で 幸せが見つかるかも。





(追記) 半田ジャンパーで 反転型 ・ 非反転型に対応可能な新基板は こちら


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