Vacuum Tube Amplifier

音楽を聴く道具をシステムとして見渡した時、メインアンプの存在は大きい。
音を左右するファクターが大きいだけでなく、システム構築の要素作りに参加する余地も多いのである.

従って、オーディオマニア/オーディオファンと自称する方にとって、
メインアンプは 一度は自作を手がけたことがある、あるいは自作しようと目論んだことがある パートであろう.







時を超えて 今 Integra931 よみがえる

今回こんな素材を使って、最終こんなかたちに仕上げようと思っている。
電源トランスは、そのまま流用します.


トランジスタ回路基板をとって 真空管とトランスを並べただけですが、それなりに見えます。

ケース加工が苦手な人間が、なんとか格好を付けようとすると ヤドカリ的 発想になります。
しかし、廃棄物を再利用するということで、最も今風かもしれないと思ったりするわけで.


本日はここまで。
回路構想等は、次回・・・・・



Apr.8.2010.    2nd

性能目標は、5%歪み時  出力 1W/8Ω
LME49600 + トランス が ライバルである




使用する真空管の選定であるが、半導体アンプの電源電圧範囲で使うとすると、±30V、計60V程度のプレート電圧で使用することになる。 このような電圧で使用することを想定しているのは、トランスレス系の真空管か電池駆動系の真空管ということになる。
今回は、ヒータ電圧に着目した。 店売りしている通常の電源トランスで半導体用として比較的高い電圧を取り出せるものとしては、AC24V x2 クラスである。 制作の安全面などを考慮すると、AC100Vの生は極力使いたくないので、トランスレス管を使うにしても、二次側から供給することを前提とするなら、ヒータ電圧が24-5Vの真空管が望ましい。 ということで、ヒータ電圧25Vの 25F5 と 25C5を候補として選択した。 

実験では、少し出力の大きめな、25C5で行う。



下図は、25C5の eP-iP 特性である。 
電源電圧 60Vと想定したときの eG2=60Vとして iPの目盛りは青線で置き換えてある。



種々の計算式があったりするが、要は与えられた電源条件に於いて、どれだけの電圧・電流の変化を与えられるか(取り出せるか)ということであり上記グラフに仮置きしたパラメータ範囲からの算出となる。

まずは、最適負荷 rL であるが、
rL = (85v-30v) / (45mA-1mA) = 1250Ω と 算出される。

次に出力であるが、効率を 75%程度と見積もって
Po = ((85-30) / 2.28) x (45-1) / 2.28) x 0.75 = 24.1 x 19.3 x 0.75 = 0.35 W

シングルアンプで得られる電力の 2倍〜4倍 が PPとした時 得られる出力であるが 現実としては、
動作点をうまく設定したとしても 3倍位であろうから

0.35 x 3 = 1.05W と 目標の 1Wを 何とかクリアしそうである。

しかし、現実としては 既に持っているトランスを使わざるを得ない等、条件は厳しい






実験用バラックの回路 

system72の電源基板を流用します。
各定数は、実験によって設定した後の値になっています



バラック  実験風景


出力波形を確認しながら、最適なカソード抵抗を確認したところ 220Ωが良さそうである。
判断は、波形クリップが始まるところとしているが ソフトディストーションなので分かりにくい。
この時の抵抗両端の電圧は 4.83Vであったので Ip+Ig2は22mAである。
特性図からは、5.2V 23mA程度と見込んでいたので ほぼ狙い通りといって良かろう。


このあたりのいい加減さが、半導体回路にない 真空管回路の ゆる〜い感覚で 大好きなのです





1KHz 最大出力測定結果

負荷は、手元にあった22Ωの抵抗3本並列接続して測定に使用したので 7.3Ωとなっている。
この時、1.56Vであるから 出力は 0.33W得られた。 トランスが3KΩのものを使っているので 最適値の1250Ωからは 離れているが、GEのデータ上では 負荷抵抗が最適値の2倍ぐらいで 15%位 落ちることになっていることと、電源電圧が 当初設定の 60V => 70V で約 17%アップになっている事を考えると、相殺され ほぼ目論見通りの出力が出たのだと見なせる  (但し、本番で70Vの電圧が確保出来るかは不明ではる)

トランス2次側(負荷抵抗両端)クリップ点
プレートの波形




その他、動作パラメータは 以下の通り。

 ・ Ig2 = 1.8mA
 ・ Gain = 1.56V / 2.63V = 0.593  :  -4.5dB (at 1KHz)
  カソードのパスコン(47uFが無い場合)
   ・ Gain = 1.45V / 6.17V = 0.235   :  -12.6dB 
        つまり、パスコンがないと Gainが 8.1dBも落ちることになり ドライブがかなり厳しくなる。
 ・今回使用したトランスの 1次DCR = ( 69.8V-65.5V) / (22mA-1.8mA) = 213Ω (3KΩ端子)



<参考データ>

 1. トランスの一次を 5Kとした場合の出力
  Po = 1.4V / 7.3Ω : 2.68W であった。

 2. 真空管を 3結とした場合の出力 と Gain
  Po = 1.08V / 7.3Ω : 0.16W
  Gain = 1.08V / 5.3V = -13.8dB
    となり、出力 Gain  ともかなり厳しい結果であり、今回の回路で 3結にするメリットは少ない。

           ・ 3結の出力波形
     波形的に上下の非対称性が感じられる。
     有効出力は もっと小さいかもしれない。
         

 

  



本日はここまで。
ほぼ基本動作の確認はできたので、
次回は、駆動回路の実験です。

OPA2604で駆動したいと目論んでいます ・・・・・








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