ESS ES9038Q2M
ESS 最高峰 ES9038の省エネDAC
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2021年 ESSページ
ES9038Q2M 販売 |
ESS Technology社が DACチップの一般販売を解禁しました。 これまでは、NDAを結ばなければ データシートが手に入らず(手に入っても confidential の透かし文字が入ります) 「どうも手を出しづらかった」 という状況でした。 お客様から色々と 問い合わせがあったものの 「さわらぬ神にたたりなし」
と手出し無用としておりましたが、この度の ESS社による開示によって 手出しが可能になりました。 まさに神の恵み? です |
ESS Technology社(以下ESS)の DACチップは ES9038Pro を筆頭に 15種ぐらいあるようです。 PRO SABRE
DACシリーズは消費電力等で結構重たいので、まずは SABRE 2 チャネル DACシリーズから チョイスしたいと思います。 低消費電力を謳ってますが
まずは ES9038 q2m 辺りから 行ってみたいと思います。 どんなチップかと 写真を探したのですが、HP. には載っていない?
datasheet を見ると
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ES9038 q2m 外形サイズ
![](ES9038Q2M_sise.jpg)
なんと 5㎜ x 3㎜ サイズだと !
確かに、そんなに小さかったら
絵(写真) になりませんね ~
ESS DACs (ESS社 HP.より)
![](ES9038Q2M_HPs_english.jpg)
ふ~む、 ES9038 q2m
ダイナミックレンジ 129dB ですか
いいですね !
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ESS社のDACチップですが、メインのシリーズとして
ES9008、ES9010、ES9016、ES9018、ES9023、
ES9026、ES9028、ES9033、ES9038
と色々あります。 その中でも 9018 / 9028 / 9038 シリーズが各世代の代表選手かと思われます。 |
ESS社 DAC
![](ESS_DAC_List.jpg)
ESS社のDACは電源食い という印象が強いので ここままず 省電源チップの DACで行こうかと思います。 省電源チップの代表格として、ES9038q2m
を選んでみました。
30ピン 3 x 5㎜ 角の 小さなチップです。
このチップに、DAI 機能まで入ってますから驚きです。ES3098という名から最高峰DACの回路が詰まったICチップと言えそうです。
ところで、ESS社のホームページでは、ES9038q2m のDNRは 129dB と出ていたのですが、datasheet では 128dBです。 why ?
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AK4493 VS ES9038q2m
![](ES9038Q2M_VS_AK4493.jpg)
ES9038q2m 実物
![](ES9038Q2M_1.jpg)
これまでも ざっとは ESS社のデータシートは見ていたのですが、本気で見るのは初めてと言う事で 「戸惑い」や「新鮮さ」 を覚えます。
・ 情報が少ないdatasheet記載内容
・ レジスタ値の表記が b/d/h
・ チップアドレス : 8bit 表記
・ PCMとDSDの切り替えが自動
・ ATT設定値が逆
等々
何とか踏み越えての レジスタセッテイングが要求されそうです
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電源はシンプルにしたいので レギュレータは 2個のみとし 後はノイズフィルターで分岐する仕様にしました。 ES9038q2mの出力は 電圧出力と電流出力が選べます。 ここは
SNRの稼げる 電流出力に設定します。
市販でこのチップを使った基板は電圧出力で使ってますが 音質をオペアンプで設定できるのですから電流出力を選ばないなんてもったいないですね。
IVのオペアンプは、音質にここだわって OPA2604 の後継と 当方が勝手に位置付けた OPA1656 を選びました。 Sound Plus
シリーズの FET入力、Output 100mA、低歪率 2ch オペアンプです。 ( コストパフォーマンス 好し!)
アナログ出力部にはポップ音たいさくとして、 リレー と TRのミューティング回路を2系統入れ ノイズ対策します。
基板色 紫色 にしましたが その趣味や如何 ?
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参考:基板
![](ES9038Q2M_PCB1.jpg)
どこが DAC の パッド か
わかりますか ?
グランド アナログ側
![](PWB_grund.jpg)
グランドはいつものように デジタル-アナログ
を分離し一点で接続します。 ノイズ拡散防止です
参考:回路図
![](ES9038Q2M_schematic.jpg)
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IV & LPF はLTspiceで 確認します
LTspice でシミュレーション
![](LTspice_ES9038Q2M.jpg)
LTSpice f特
![](ES9038Q2M_freq.jpg)
初めてのESS製DACなので
シビアに設定してます。
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基板完成です
完成基板
![](ES9038Q2M_DAC_pwb1.jpg)
右の CPU が巨大に見えます
![](ES9038Q2M_zoom.jpg)
ソフトの注意事項
・ I2Cアドレスは指定のこと
・ Reg.0.のクロックは 1/1を選択する
・ Reg.1.の data長は 32bit長とする
等々、音が出ない場合 注意です |
電源を入れて動作を確認 し 機能の確認
LCD 表示例 1
![](ES9038Q2m_LCD1.jpg)
LCD 表示例 2
![](ES9038Q2m_LCD2.jpg)
LCD 表示例 3
![](ES9038Q2m_LCD3.jpg)
デジタルフィルターの特性
Filter 0 Filter 1
![](FLT_es9038Q2M_2.jpg)
Filter 2 Filter 3
![](FLT_es9038Q2M_4.jpg)
Filter 4 Reserve (5)
![](FLT_es9038Q2M_6.jpg)
Filter 6 Filter 7
![](FLT_es9038Q2M_8.jpg)
![](ES9038Q2M_filter.jpg)
さて次に THD Compensation の確認です。 Datasheet に以下の説明があります
THD Compensation can be used to minimize
distortion from external PCB components and
layout through the generation.
なるほど。
制御ソフトで 補正値を探します
for (dist = 0 ; dist < 0xffff ; dist += 8 )
{
B_cmd[1] = 22; //reg.22
B_cmd[2] = dist % 0xff;
B_cmd[3] = dist / 0xff;
・
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}
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THD 設定前
![](THD_before.jpg)
THD 補正値設定後
![](THD_after.jpg)
THDの 2ndは 12-3dB位の効果が出てます
3rdの方は 2-3dB程度です
なるほど、凄いですね
ES9038q2m ポータブル機器用という
立ち位置ですが デスクトップ機としても
しっかりとした性能を持っていそうです
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さあ、ヒアリングしましょう
The Hunter / ジェニファーウォーンズ
![](CD_jennifer_HANTER2.jpg)
ジェニファー のハンターです
優秀録音盤として誉れ高い CD
1曲目 rock you gendy の低音
8センチの OM-MF519 では鳴らしきれない
やはり ここは JBL 4312 の出番、
と思いきや、この CDはどうも 低音が伸びてる SPというものが欲しいわけではなく、低音の "聞かせ方" がポイントらしい。
8センチの SPの方が好ましい音を聞かせてくれる
オーディオは 不思議だ
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JBL 4312 と MarkAudio SP
![](SP_system.jpg)
試聴する音量に左右されます。
音量が上がってくると さすがに 30㎝ 3way にはかないません |
この ES9038q2m という DACはムーディな楽曲が合うようです。 カチッとしたクールなジャズではなく、甘い ピアノや 女性ボーカルが似合うよな
感じ
なかなか捨てたもんじゃない そんな気分にさせてくれる ちょいと古い JAZZナンバーから
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JIM HALL
![](jimHole_concirto.jpg)
EurpianJazzTrio
![](EuropaianJazzTrio_europa.jpg)
松居慶子
![](MatuiKeiko_inAmirror.jpg)
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ES9038q2m
しばらくメインの座に居座りそな
気配
![](ES9038Q2M_PCB2.jpg)
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