![](PGA2320_titol.jpg)
BH2325版 旧電子VR基板は こちら
マルチチャンネルで使うには こちら
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DSDファイルを扱い始めると、PCM1792系システムで 音量ボリューム機能を PCM1792の電子ATTに依存した構成の場合、音量調整できない
という致命的な不都合が出てきます。 やむを得ず、メカ式のVRを入れてみたりするのですが、一度電子ATTの 快適な 音量調整感になじんでしまうと、やはり
電子式のVRが 欲しくなります。
BH3532を使った、電子VR基板は 既に販売終了してますので 新たな 電子VR基板の設計に迫られた!という状況です。 BH3532では、入力電圧が
2V max でしたが 新基板では、0dB時 出力電圧の 4.5Vrms を 最低でも 確保したいところです。
となれば、候補の IC として思い浮かぶのは、MUSES72320/nJRC と PGA2320/BB が あります。
System72基板では、DAC や IV変換OPA等に 主に BB (BurrBrown) 系を使ってますので、新規電子VR基板にも、「 PGA2320/BB
を採用 」 というのが 自然の流れといえそうです。 |
PGA23xx シリーズ 16pin SOIC
![](PGA23xx_chip.jpg)
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少しだけ補足
PGA2320には、電子VRとして MostFamous な兄弟分の PGA2311 があります。 2311は 電源電圧が ±5Vのため BH3532版 とほぼ同等のアナログ電圧しか扱えません。 電源電圧を ±15V にして、9V rms を扱えるようにしたのが PGA2320です。 2320
と 2311は、電源電圧を変えれば ピンコンパチとして使えるものと思われます。シーラしロジックのCS3310もPGA2311コンパチ品です。
MUSES72320は、品番からの連想として、PGA2320 対抗として造られた IC と思われるのですが ICパッケージ も異なる全くの 別物です。 |
☆ ☆ ☆
PGA2320は、入力 9V rmsを クリアしてます。
![](PCA2320_outputChart.jpg)
PGA2311は、 2V rms 止まりです。
![](PCA2311_outputChart.jpg)
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こんな回路で考えてます (当初案)
![](EVR_PGA2320_circuit.jpg)
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PGA2320版 販売開始を延期してますが・・・・
新基板完成間近!!
とりあえず、上記回路図による基板を作って動作確認しました。
販売用は、個人的興味で盛り込んだ回路は 削除しますが
盛り込みすぎたようで、無駄な空き地が 目立ちどうも
気に入りませんので 基板作り直し。 です
(左) フル装備基板 (右) 販売用の部品実装
![](PGA2320_discon.jpg)
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ここから、新規基板
新基板 回路例
![](PGA2320_V13.jpg)
Muting回路も実装します。
使用するトランジスタは、Muting専用に作られた石ですので、
使用する電源電圧範囲での、 クリップの心配は ありません。
( 2SC1815等ではVEBO 5Vですが、使用する TRは 21Vまで OK)
リレー式のMuting基板は 別途ありますので
機械式がお好みの方は、 そちら の組合せでどうぞ。
ショックノイズ対策には、こちらがお薦めです。
新基板が上がってきました
新基板完成例
![](PGA2320PWB_newV13.jpg)
余計な回路を省いたのですっきりしています。
基板のGNDは、デジタル部とアナログ部を完全に分けて
レイアウトし、ハンダジャンパで、一点接続します。
(他の、system72系 DAC基板やDAI基板も同じ考慮がなされてます)
赤丸部が、接続部です。
デジタル部の グランド系
![](PWB_Layout_digital.jpg)
アナログ部の グランド系
![](PWB_Layout_Analogu.jpg)
動作例 LCD opening MSG.
![](PGA2320PWB_newV13_2.jpg)
一応 この基板の機能は、
1. 音量調整
2. 赤外線リモコン対応
3. バランス調整
4. 外部からのMuting制御端子あり
5. LCD表示機能あり
6. Gain(+31.5dB) on-off 機能(ジャンパ設定)あり
7. VRカーブ Bカーブ、Aカーブ選択(ジャンパ設定)あり
8. ch増設 考慮(但し、現状は未対応)
といったところです。 |
「バランスVR無し」 の時の表示例
![](LCD_non_BalMode.jpg)
「バランスVRあり」 の時の表示例
![](LCD_BalYesMode.jpg)
2行目のバーは音量調整VRの位置表示です。
バランス機能 アリ の時の、LCD表示遷移例
電源on時
![](LCD_disp_sample1.jpg)
1-2秒後
![](LCD_disp_sample2.jpg)
4-5秒後
![](LCD_disp_sample3.jpg)
10秒後 (定常表示)
![](LCD_disp_sample4.jpg)
Amp Gain [on] で、VR max 時の表示例です。
![](LCD_disp_sample_GainMax.jpg)
VR位置による 変化カーブの実測例
(ソフト的処理で カーブを付けています)
![](VR_curve_ABC.jpg)
PCM1792等、DACでの ATTカーブは
Max近辺 「少し絞って使う」 というのが 理想なので
最大付近で 微調整が効く 「Cカーブ」 を優先していたが、
今回は アンプの音量調整用VR ということなので、
絞った位置で 微調整が効く、「Aカーブ」 を採用。
しかし、実際使って見ると 「Bカーブ」 のほうが 使い勝手が
良さそうなので、デフォルトは 「Bカーブ」としています。
最大出力の確認例
PGA2320版 電源=±15V
![](Max_Output_oscillo.jpg)
電源電圧±15V時に 1KHz/10V rmsで クリップが認められますが
9.5V rms では、クリップしません。 datasheet通りです。
![](Max_Output_9R5V_oscillo.jpg)
これなら 内部ATTのない PCM1794系の DAC出力からでも
安心して入力できますね。 ( PCM1794 IV変換後は、 4.3V rmsです )
ちなみに、PGA2311版はアナログ部の電源電圧が±5Vですので
許容最大入出力は 2Vrms です。
PGA2311版は、アナログ電源用のコネクタを
XHシリーズに変えて、他の±15V系 EHシリーズの
コネクタは挿入できなくなるよう、配慮してます。
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< 電子ボリューム回路 諸元 >
・電源 「制御系」 マイコン tiny88用 : +5V *電源コネクタは、EH-2タイプ使用。
「アナログ系」 PGA2320使用版 : ±15V *電源コネクタは、EH-3タイプ 使用。
PGA2311使用版 :±5V *電源コネクタは、XH-3タイプ 使用。
・MPU : AT tiny88-AU
・音量調整(ATT値) : -95.5dB 〜 +31.5dB 0.5dBステップ
*ジャンパ設定で+31.5dB off 可
・最大 入・出力 : PGA2320版 9Vrms ATT値 0dB時 (Vcc ±15V)
PGA2311版 2Vrms ATT値 0dB時 (Vcc ±5V)
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< 操作(基板の動作)の説明 >
1. 電源オン時、約3秒間ミューティング(VR min) がかかります。
3秒後ミューティングが解除し、ATT設定値(制御用VR位置) になります。
2. ATT値は外付けVR (VR01) の位置によります。 0.5dBステップでATT値が制御できます。
( LCDを接続していれば、ATT値を表示可能 )
3. +Gain(+31.5dB)の設定が可能です。 PCM1794等のDACの出力から入力する場合は、
過大入力になりますので、 +31.5dBは オフにして下さい。
4. バランス調整機能を追加したい場合、CN613に外付けVRを接続し、JP611-3に
ジャンパーピンを挿入します。 バランス調整用VRは、音量調整用VRと同等のものが
使用出来ます。
5. LCDの表示は、下図例のように 3段階の表示遷移があり 最終Cの状態となります。
6. リモコンは、LV-10(マルツ扱い)が使用可能です。 使用する場合は、JP611-2 に
ジャンパーを入れます。
( 誤動作防止のため、リモコン機能を使わない場合はジャンパー無しとしてください )
![](../../../image30.jpg)
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説明書は こちら です (番号 18番です)
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*** おまけ *** Multi ch VR ***
マルチチャンネルVRに対応する 基板やソフト開発を見送っています。
その理由は、 「4連ボリューム」 相当ならすぐできるためです。
写真のような 多連VR機能相当なら、現状の基板を使ってすぐできます。
![](maltiVR_4_pos.jpg)
測定したことはありませんが、機械式4連VRの各VR間で発生する
いわゆる 「ギャングエラー」 は 過去の経験からすると、
3〜4dB はありそうな音象移動がありましたので こんな方法でも
機械式よりましな ボリュームができてしまいます。
![](PGA2320_3PWB.jpg)
つまり、PGA2320基板の制御用VRを 1個でやってしまうのです。
下の写真のように 1個の 制御用VRのセンターから 他の基板に
分けてやれば 良いわけです。
![](3wire_VR.jpg)
ものは 試し。 実験してみました。
手持ちの都合で、3種類の LCDを使いましたが 3枚の PGA2320基板を 1個のVRで制御した場合の 電子VRの様子がわかると思います。 写真では -7dB、 -20dB、-50dB とも全く同じ値ですが 実際には AD変換時の誤差が出るため 差異(±1degit)は出るようです。 また、-50dB〜-95.5dB の領域を重視される場合は、Bカーブ相当(J611-6ショート)に した方が 使い勝手は良いようです。 |
![](6ch_7db.jpg)
![](6ch_20db.jpg)
![](6ch_50db.jpg)
リモコン操作では保証の限りではありません
(受信状況の違いにより、基板間で差異が出ます)
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