平衡ライン ドライバー / レシーバ

不平衡 => 平衡変換 、 平衡 => 不平衡変換


オーディオシステム構築で、ラインアウトのケーブルを長めに引き回す時に使われるテクニックに、平衡出力(バランス出力)という手法があります。

通常のオーディオシステムでは、30p〜50p程度で機器間を接続できますからこのような手法は必要ありませんが、10mとか引っ張り回すに時は出力を正相と逆相のペアにして送り出し、戻す時に不要なノイズを打消すことでクォリティを保ちます。 所謂 差動アンプのCMRR(Common Mode Rejection Ratio) の概念。

実現方法としては、バランス巻のトランスによる方式、オペアンプによる方式 等ありますが、最新の方式(と、思っている)に、Analog Devices等のラインドライバを使う方法があります。このICは等価的にはオペアンプで実現できる回路ですが変換回路を構成している 各素子の値を レーザトリミング等で揃えているため、変換精度(CMRR)が高く取れます。 スタジオ機器等で使われている様です。

今回は、Analog Devices社のドライバIC ラインアップのなかからSSM2142(平衡ラインドライバー)と BB社製 INA137(差動ラインレシーバ)を使用した基板を作りました。 1枚の基板上に ドライバー/レシーバーの搭載が可能です。 ( SSM2143 は BBの INA137 に変更になっております )

尚、レシーバには -6dBタイプのINA137を使用しましたので変換後のゲインは、0dB に相当します。


:ドライバ/レシーバ 両方実装基板
:平衡ドライバ基板  :平衡レシーバ基板
販売は、平衡レシーバ基板として組み立てたものになります。





参考回路図

ものすごく シンプル! な回路ですが
田村のトランスでは対応できない出力レベルでの使用が可能です。
(タムラ TK-10等では +10dBm/2.5V が限界です)

基板は、アナデバのアプリケーションノート相当のCRが入るような
考慮はしていますが・・・・・使用していません




参考 基板配置図






仕様

<平衡ラインドライバー部>
 ・不平衡入力、 平衡出力 (アンバランスからバランスに変換)
 ・使用IC : Analog Devices社 SSM2142 2個使用
 ・入出力数 : 2ch 
 ・最大出力レベル : 9Vrms

<平衡ラインレシーバ部>
 ・平衡入力 => 不平衡出力 (バランスからアンバランス変換)
 ・使用IC : BB社 INA137 2個使用
 ・入出力数 : 2ch
 ・ゲイン : -6dB (ドライバと組合せ時 0dB / ユニティゲイン)
 ・最大出力レベル : 9Vrms

<共通>
 ・電源  ±15V
 ・基板サイズ 47x72o



PCM1794/DAC基板等のオプション(同梱品)として
レシバー基板 (バランス => アンバランス変換用) DAC基板等と同梱可能です

*使用ICは 「INA137/BB製」 ととなっております。                          






ラインアンプとして使用出来るよう
出力にバッファ用 IC LM49600を追加したタイプもあります。


平衡入力タイプ (バランス => アンバランス変換用)


この基板については こちら を参照






参考 応用例



応用例 その1. 


モノラル動作 バランス出力DAC 
(PCM1794モノ・バランス出力モード)

・BBのPCM1794/1798/1796はモノラル使いするとバランス出力で動作します 
・その出力を受けるレシーバ(アンバランスに戻す)に使えます
・下の写真は DAI に 2枚のモノラル設定のDAC基板をつないだ様子です。
  それぞれが、Lch/Rch の バランス(差動)で出力します。 
  もちろん ステレオ設定も可能 (半田ジャンパーで切り替え可能) 


DACの基板は、Ver.5 よりモード切替対応します






応用例 その2. 



6chの平衡ラインの音量を調整
(A.K.様 向け特注システム品)

・電子VR基板(BH3532) 3枚(6ch分)を 連動 ・ 同期させています
・平衡レシーバ/ドライバ基板 3枚使用して 6ch平衡ラインに対応

動作確認の為、上記のような仮組ボードで納品しました





応用例 その3. 


プシュプル真空管アンプの位相反転ドライバ

・低電圧動作の真空管プシュプル位相反転&ドライバーに使用しました




別荘ホームページ(こちら)で検討・実験記事紹介しています。










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